試運転の部

試運転の流れ

試運転では、まず、個別に機器の動作確認や調整を行います。次にそれぞれの機器を組み合わせた状態で正しい順序で動くことを確認します。その後、焼却炉内をガスバーナー等の燃焼装置で加熱して耐火レンガなどを乾かす乾燥焚きを行います。乾燥焚きは、最初にからっぽの状態で行い、次に硅砂と呼ばれる砂を入れて行います。そこで、異常がなければ、実際に汚泥を入れて運転を行います。さらに、今回は、バイナリー発電設備もあるため、発電設備の試験も行っています。次の項では、焼却炉本体と発電設備の試運転の様子を紹介します。

  • 『硅砂(けいさ)』: 汚泥を燃やすために使用する砂のことです。焼却炉内で高温に熱せられた硅砂は、焼却炉の下部から送り出される空気によって、ボコボコと湧き上がって動いている状態(流動状態)になります。その中に、汚泥が投入されると、撹拌効果を伴った熱伝導によって瞬時に乾燥・燃焼します。このような焼却炉は、流動床式焼却炉と呼ばれています。

【1】焼却炉乾燥焚き(砂なし)

汚焼却炉内の耐火レンガなどの乾燥のため、乾燥焚きを行います。乾燥焚きでは、炉内の耐火レンガなどが割れないようにゆっくりと温度を上げるようにします。動画は、焼却炉を真上から見た様子で、炉内の温度を上げるために都市ガスを燃焼させて生じた炎が見えます。筒状の並んでいるものは分散パイプです。

  • 『分散(ぶんさん)パイプ』: 分散パイプは、焼却炉内の下部にあり、硅砂を流動状態にするための空気を吹き出す配管です。筒には、空気が出る小さな穴が多数ついています。

汚泥焼却炉 試運転(乾燥焚き)砂なし(Youtube,約5秒)

【2】焼却炉乾燥焚き(砂あり)

硅砂を入れた状態で試運転を行っている炉内の様子の動画です。ボコボコと湧き上がってくるように見えているのが、流動状態の硅砂です。ここでは、動きに偏りがないかなど、硅砂が流動する状態の確認をおこないます。

汚泥焼却炉 試運転(乾燥焚き)砂あり(Youtube,約10秒)

【3】焼却炉負荷運転

負荷運転では、実際に使うときと同じような条件で、問題なく運転できることを確認します。動画は、実際に汚泥(脱水ケーキ)を投入して、燃焼させている炉内の様子です。硅砂と汚泥が焼却炉内で混ざり合って動いているのが見えます。また、汚泥が燃えて発生した炎も見えます。

汚泥焼却炉 試運転(負荷運転)(Youtube,約4秒)

【4】発電設備

発電設備の試運転では、運転前に、実際に電圧をかけて高い電圧に耐えられるかの確認や、異常時に安全に停止できるかなどを試験します。その後、実際に発電させて異常がないかを確認します。写真のモニターに映っているのは、発電設備を監視制御するための監視画面で、試運転時のものです。左下の拡大図は、発電機とタービンを表す模式図で、運転中であるため赤く表示されており、発電中であることを示しています。右上の拡大図の発電総電力は、1,370kWの電力を発電していることを示しています。補助電力消費量は発電設備内で消費している電力であるため、1,370 kW-28 kW=1,342 kWの電力を焼却設備に供給できることになります。

  • 『監視(かんし)制御(せいぎょ)』: 安全かつ効率的にプラントを稼働するために、機器の状態を見ながら、運転・停止の操作や設定の変更をすることです。発電設備以外にも、焼却設備、脱水設備、受変電設備なども監視制御を行っており、それぞれの設備に対応する画面があります。
  • 『監視(かんし)画面(がめん)』: 発電機や補機を模式的に図示しており、運転中や停止中などの機器の状態や、温度や電力などの数値が表示されています。

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