篠崎ポンプ所雨水ポンプ設備再構築工事
工事の目的と効果
- 下水に流入してくる雨水を河川に放流する「雨水ポンプ」の耐用年数は20年ですが、今回の対象となった雨水ポンプは昭和58年に稼働し、耐用年数を大幅に超過していました。このため、本工事で雨水ポンプを再構築して雨水排除機能の安定化を図ります。
- 近年、気象条件の変化により、豪雨が多発しています。更新前のポンプは通常型で雨水流入後に水位が上がらないと運転できないポンプでしたが、更新後は先行待機型という雨が降る前に運転することができ、急激な水位変動時にも速やかな雨水排除が可能なポンプになります。
- 更新前のポンプは、軸受(回転摩擦により加熱する部分)等に冷却水を使用しており、大地震等により冷却水が遮断された場合、ポンプ設備の運転ができなくなります。更新後は、冷却水を必要とせず断水時でも運転できる無注水形ポンプを導入します。
工事のながれ
- 現場での工事に先立ち、ポンプの能力について検討します。流入してくる雨水を適切に排除できるように考慮し、ポンプの設計を進めます。(口径:1,650㎜、吐出量340m3/min、25mプールが1分40秒程度で満杯になります。)
【1】ポンプ全体図(断面図)
ポンプ本体、軸、電動機、送水管から構成されます。
【2】ポンプ(更新前)
ポンプです。
ポンプ周りには、軸受冷却用の配管(青い部分)があります。
【3】電動機(更新前)
電動機です。
【4】ポンプ撤去(1)
ポンプが大きいため、分解しながら搬出していきます。
写真はポンプ本体の吐出エルボと呼ばれる部品です。
【5】ポンプ撤去(2)
天井クレーン(定格35t)を使用し、場外へ搬出します。
写真はポンプ本体の羽根車部分の撤去になります。
【6】ポンプ搬入状況(更新中)(1)
写真は、ポンプ本体の羽根車部分の搬入です。重さは、約20t程度となります。
【7】ポンプ搬入状況(更新中)(2)
ポンプの撤去と同様に、天井クレーンを使用し据付場所へ運びます。
高さ制限のある室内を移動するため、横向きにして搬入しています。
【8】ポンプ吸込羽根車
ポンプ本体の羽根車の写真です。
羽根車が回転することで、流入してくる雨水を吐き出します。
【9】ポンプ据付状況
横向きで搬入したポンプは、据付け場所でチェーンブロックを用いて、垂直にしていきます。
順番にポンプの部品を組み上げていきます。
【10】ポンプ(更新後)
ポンプ据付が完了しました。冷却水の配管も無くなり、ポンプ回りもすっきりしました。
【11】電動機(更新後)
電動機据付が完了しました。
据付完了後の運転試験を行い、工事完了です。
更新したポンプで確実に街を浸水から守ります。
お問い合わせ
第一基幹施設再構築事務所設備工事課
電話 03-3862-8314