第43回 鉄蓋大好き!

受け枠はマンホール蓋の大切な相棒

傭兵鉄子 TETSUKO YOHEI

世の中にはたくさんの「蓋」があります。蓋があると必要な時に開け閉めできるので、中身の取り出しや確認がしやすくなり、異物が入り込むことも防げます。それと同じように、下水道でも、マンホール蓋があることで管路の維持管理がしやすく、道行く人や車両がマンホール(点検孔)に落ちるのを防いでいます。

でも、マンホール蓋を置いただけでは蓋の役目は果たせません。ずれたり外れたりしやすく、固定しようと周りをアスファルトで固めると開 け閉めできなくなってしまいます。そのため、マンホール蓋は、マンホールに固定された「受け枠」と呼ばれる鉄製の枠にはめて設置されていま す。大部分はアスファルトに覆われて一部しか見えませんが、受け枠はマンホール蓋にとってなくてはならない相棒なのです。

蓋と枠は一対で、蓋と同じように枠にも製造会社ごとの違いがあります。とはいえ、一般的な受け枠は蓋の外側を囲う太い線のような見た目なので、地上から見える部分だけではその違いはほぼ分かりません。

ですが中には、製造会社独自の枠や、蓋のデザインに合わせた枠もあります。また、雪国では、除雪作業時に除雪車と蓋の両方を守る構造をした寒冷地仕様の枠や、都市部では、管路内の圧を逃す排気機能がある枠など、機能付きの枠もあります。旅先などでマンホール蓋を見る時には、ぜひ相棒の受け枠にも注目してみてくださいね。

【一般的な受け枠の一例】

一般的な受け枠の一例

【製造会社独自の受け枠の一例】

画像:スタミナビット
画像:ハニカムセグメント

【蓋のデザインに合わせた受け枠の一例】

画像:(千葉県浦安)
(千葉県浦安)
画像:(富山県富山市)
(富山県富山市)

【機能付き受け枠の一例】

画像:寒冷地仕様枠(新潟県三条市)
寒冷地仕様枠(新潟県三条市)
画像:機能付き枠(東京23区)
機能付き枠(東京23区)

傭兵鉄子(ようへい・てつこ)

マンホール蓋&腐食金属愛好家。愛好家主催のイベント『マンホールナイト』実行委員。学生時代「自分の街をプロデュースする」という課題がきっかけで市町村毎に違う絵柄の鉄蓋に気付き、以来その魅力にハマる。アニメに登場する蓋も研究観察対象。

記事ID:082-001-20251206-011045