第44回 鉄蓋大好き!

受け枠の仲間「人孔縁塊」

傭兵鉄子 TETSUKO YOHEI

前回、マンホール蓋の大切な相棒である受け枠について触れましたが、今回はその仲間をご紹介します。

マンホール蓋は、マンホール(点検孔)に固定された鉄製の受け枠にはめて設置されています。受け枠は蓋を囲む太い線のような見た目のものが一般的ですが、中には製造会社独自のものや、蓋のデザインに合わせた枠もあると前回お話ししたところ、「とても大きくて立派な枠が付いている蓋を見つけました。これも蓋のデザインに合わせて作られた枠でしょうか」という質問をいただきました。

下の写真は、質問と同じタイプの蓋です。受け枠の仲間ですが、蓋を囲む大きな枠のような部分は「人孔縁塊」と呼ばれるものです。かつて砂利道や簡易舗装だった道で、マンホールを補強するために使われていました。中身は鉄の板で覆って補強した鉄筋コンクリートで、蓋との境にある内側の鉄の輪は、コンクリートに取り付けてある部品です。現在主流の鉄製の受け枠と見た目が似ていますが、蝶番やロック機構などは無く、地中に埋まっている土台の構造も異なります。

どっしりと存在感があり、無骨でかっこいい人孔縁塊。東京市で使われ始めたのは昭和4 (1929)年からだそうですが、現在のように、アスファルトで舗装された道で新たに設置されることはなく、人孔縁塊付きのマンホール蓋がある風景も今では珍しくなりました。とはいえ、場所によってはまだ残っているところもあるので、ぜひ探してみてください

散歩が気持ちいい季節になりました。マンホール蓋をきっかけに、小さな歴史散策を楽しんでみてはいかがでしょうか。

人孔縁塊付きマンホール蓋の一例

傭兵鉄子(ようへい・てつこ)

マンホール蓋&腐食金属愛好家。愛好家主催のイベント『マンホールナイト』実行委員。学生時代「自分の街をプロデュースする」という課題がきっかけで市町村毎に違う絵柄の鉄蓋に気付き、以来その魅力にハマる。アニメに登場する蓋も研究観察対象。

記事ID:082-001-20260222-012122