合流式下水道ってなんだろう?
下水道には、 2種類の整備の仕方があります。
汚水と雨水を一つの下水道管に流す「合流式下水道」と、汚水と雨水を別々に流す「分流式下水道」です。
東京23区の8割は、合流式下水道で整備されています。
今回は、皆さんが使った汚れた水や降った雨を流している下水道管が、どのように整備されているのかをご紹介します。
合流式下水道の特徴
メリット
- 1本の下水道管を整備すれば良いため、分流式と比べて費用が安い。
- 晴れの日と弱い雨の日は、地面や道路の汚れは雨とともに下水道管に流れ、水再生センターで処理
デメリット
- 強い雨の日は、 水再生センターで全ての下水を処理することができず、街を浸水から守るため、汚水が混ざった雨水を川や海へ放流
→これを改善する施設を整備し、汚れの少ない雨水を川や海に放流する取組を進めています
分流式下水道の特徴
メリット
- 汚水は水再生センターに集めて処理し、雨水は川や海へ放流
デメリット
- 汚水管と雨水管の2本の管を整備する必要があり、合流式と比べて費用が高い。
- 雨は全て川や海に放流するため、 地面や道路の汚れが雨とともに流れ出る。
東京郁で合流式下水道を整備しているのはなぜ?
明治時代、東京では、コレラなどの伝染病の流行や、生活排水による水質汚染、浸水被害が頻繁に発生していました。
そこで、汚水と雨水を速やかに排除するため、合流式下水道を採用して早期に整備を進めることになりました。
合流式下水道を採用したことで、早く、安価に整備を進めることができました。
大阪市、名古屋市など全国191都市、ニューヨークやロンドンも合流式下水道を採用しています。
合流式下水道を改善する、さまさまな取組
強い雨が降ったとき、川や海に流れ出る汚水を大幅にカット
- 降り始めの特に汚れた下水を時的に貯める施設を整備しています。
- 雨が止んだ後、水再生センターに送水して処理します。
▲雨水貯留池
▲雨水貯留管
オイルボールやごみの流出を防ぐ
水面制御装置の仕組み
改善前 改善後
雨水吐口に水面制御装置を整備しています。
- 「ガイドウォール」という壁を設置
- せき止められたごみ等は、 流水と「水面制御板」という板との作用によって発生する渦に巻き込まれて集約され、水再生センターへ流れていく。
そのほかにも、雨天時の下水をより多く水再生センターに送水するための下水道管の整備なと、さまざまな対策に取組み、令和5年度末には、下水道法施行令で定められた分流式下水道並みの放流水質が確保されました。
下水道局では今後も、更なる水質改善を図るため、潮の干満の影響により水が滞留しやすい河川区間等において、合流式下水道の改善を推進していきます。
ご理解とご協力をいただきますよう、よろしくお願いいたします。