8 生物処理槽
浮遊微生物を利用した生物処理は、運転管理の良否によって処理効果が大きく変わるため、適正なBOD負荷、容積負荷と溶存酸素の管理が重要であり、次のようなことに留意する必要があります。
- 排水中のBOD、SS濃度が設計値より大幅に違ってないか。
- 流量計に表示されている流入水量が設計値より大幅に違ってないか。
- 生物処理槽や沈殿槽に構造上の問題がないか。
- 排水中に何らかの有害物質が混入していないか。
また、生物処理を行う場合は余剰汚泥が必ず発生するため、生物処理槽の後に沈殿-濃縮-脱水などの処理を行い、余剰汚泥を系外に排除する必要があります。
なお、流入水が長時間停止するときは、貯留槽の有効活用、BOD源(糖蜜等)の添加などの措置により24時間連続運転する必要があります。
(1)曝気槽
流入水が長時間停止する場合は、上記なお書きの他に返送汚泥率及び曝気強度の低減などの措置をとる必要があります。
処理が良好に行われない場合の原因としては、上記1.から4.の他に次のことが考えられます。
- 細かいフロックが処理水に混じる又は細かく破壊された汚泥が処理水と一緒に流出する場合
⇒負荷が低過ぎるか、空気量が多過ぎます。 - 処理水が濁り、浮遊物質が多い場合
⇒負荷が高過ぎるか、空気量が少ないです。 - 汚泥フロックが浮上する又は汚泥流出が多くなる場合
- 脱窒による場合は、負荷が低過ぎます。
- バルキング(糸状性細菌が出現)が考えられます。
- 糸状性細菌が出現しやすい要因としては、次の3点が考えられます。
ア.溶存酸素の低い状態で運転が続けられている場合
イ.BOD-SS負荷が平均して高過ぎる状態で運転が続けられている場合
ウ.排水中のBOD:N:Pの比が適正値(100:5:1)から大きくずれている場合
(2)浸漬ろ床
- ろ床が閉塞しないようにきょう雑物の混入に留意し、流入水量の均一化を図って下さい。
- ろ床からはく離した汚泥が、底部で堆積や腐敗しないようにして下さい。
(3)回転円板
- 円板からはく離した汚泥が、底部で堆積や腐敗しないようにして下さい。
- 円板の回転は、休日などでも停止させないで下さい。
(4)接触酸化槽
- 充填材からはく離した汚泥が、底部で堆積や腐敗しないようにして下さい。
- 長期間の高負荷運転や低負荷運転は生物相が替わってくるため、処理ができなくなることがあります。
記事ID:082-001-20240927-008794