下水道財政のしくみ(区部公共下水道)
2.料金体系の設定(原価配賦)
料金体系の設定にあたっては、汚染者負担の原則を前提とした個別原価に基づいて行っています。
すなわち、汚水の排出量を区分基準とした需要家群(下水道使用者群)の使用実態に応じて、料金対象原価を配分しています。【個別原価主義】
原価の分解と配賦
事項 | 内容 | 配賦基準 |
---|---|---|
需要家費 | 主に、料金徴収経費 | 概ね検針回数に応じて配賦 |
固定費 | 主に、減価償却費、企業債利子及び施設の運転管理に要する人件費等 | 変動需要法により各需要家群に傾斜的に配賦 |
変動費 | 主に、動力費や薬品費等 | 排出量に均等に配賦 |
料金体系設定の基本的考え方
下水道料金は、生活排水などの比較的量の少ない排水は料金単価を低く抑え、排出量が多くなると料金単価が高くなる料金体系(逓増型料金体系)になっています。
平成10年度の料金改定では、近年の小口使用者の増加及び大口使用者の減少という水需要構造の変化を受け、次の3つの基本的な考え方に基づき、料金体系を設定しています。
- 個別原価の重視
下水道使用者が負担する料金は個々の使用者の使用実態に応じて配分された個別原価に等しく決定されるという、個別原価主義の考え方を基調とする。
- 生活排水への配慮
個別原価を重視しつつ、都民の日常生活に欠くことのできない最低限度の排水である生活排水に対しては、料金体系上、低廉となるよう原価の配賦における一定の配慮を引き続き行う。
- 環境に対する負荷の軽減
大口使用者、小口使用者ともに汚水の排出者として環境に対する責任を有してることに鑑み、料金体系の設定を通じて節水への動機付けを行い、環境に対する負荷の軽減を目指す。
このことから、料金逓増度を従来の約6.2倍から約4.4倍に緩和し、また、基本水量を従来の10m3から8m3に引下げると共に水量区分を従来の8区分から9区分に細分化しています。
記事ID:082-001-20240927-008171