主要施策等
経営方針
令和5年度は、「東京都下水道事業 経営計画2021」に基づき、以下の3つの経営方針の下、区部下水道事業と流域下水道事業を着実に実施
- お客さまの安全を守り、安心で快適な生活を支える
- 良好な水環境と環境負荷の少ない都市の実現に貢献する
- 最少の経費で最良のサービスを安定的に提供する
主要施策
区部下水道事業
- 施設の再構築
下水道施設が将来にわたり安定的に機能を発揮できるよう、老朽化対策とあわせて、雨水排除能力の増強、耐震性や維持管理性の向上、省エネルギー化等を図る再構築を計画的に推進 - 浸水対策
「東京都豪雨対策基本方針」に基づき、時間75ミリ降雨に対応する下水道整備を推進し、内水はん濫による被害を防止することとしている。整備の進め方については、早期に内水はん濫による被害を軽減するため、浸水リスクが高い67地区を重点化していくこととし、このうち20地区で整備を推進
目標を超える降雨や複合災害等により、水害が発生した場合においても揚水機能等の下水道機能を確保するため、8か所の施設で耐水化のレベルアップに向けた調査設計に着手 - 震災対策
首都直下地震などが発生したときに下水道機能や交通機能を確保するため、下水道管とマンホールの接続部の耐震化や、マンホールの浮上抑制対策などを実施 - 汚泥処理の信頼性強化
震災時などのバックアップ機能を確保するとともに、老朽化が進行した送泥管を再構築するための整備を推進 - 合流式下水道の改善
合流式下水道では、強い雨が降った際には、市街地を浸水から守るため、汚水混じりの雨水を河川や海などに放流する仕組みとなっている。このため、雨天時に放流される汚濁負荷量の削減を目的とし、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設の整備を推進
令和5年度末には、下水道法施行令で定められた分流式下水道並みの基準を達成するために必要となる、累計170万立方メートルの貯留施設などの整備が完了 - 処理水質の向上
東京湾などに放流される下水処理水の水質をより一層改善するため、既存施設の改造により早期に水質を改善できる準高度処理の整備を推進 - エネルギー・地球温暖化対策
下水道事業における地球温暖化防止計画「アースプラン2023」に基づき、エネルギー使用量や温室効果ガス排出量の削減を推進
流域下水道事業
- 施設の再構築
下水道施設が将来にわたり安定的に機能を発揮できるよう、施設の再構築を推進 - 雨水対策
立川市、東大和市及び武蔵村山市の浸水被害を軽減するため、空堀川上流雨水幹線の整備を推進 - 震災対策
震災時に必要な下水道機能を確保するため、施設の耐震化を実施 - 処理水質の向上
多摩川などに放流される下水処理水の水質をより一層改善し、水と親しむことのできる良好な水環境を創出するため、高度処理及び準高度処理の整備を推進 - 市町村との連携強化 多摩地域の下水道は、市町村が管理する公共下水道と都の流域下水道が一つのシステムとして機能を発揮するものであり、市町村との連携を一層強化する取組を推進
- 雨天時浸入水対策
下水道管内の水位情報を測定する多機能型マンホール蓋により収集したデータの分析結果について市町村に提供し、原因調査や対策が効率的に進むよう支援
市町村の雨天時浸入水対策促進のため、強靱化都費補助制度による財政支援を行ったほか、都と市町村による対策促進会議や現地合同調査の実施、絞り込み流量調査などの技術支援を実施 - エネルギー・地球温暖化対策
「アースプラン2023」に基づき、温室効果ガス排出量やエネルギー使用量の削減を推進
経営基盤の強化
1 サービスの質の向上
- 技術開発の推進
「技術開発推進計画2021」に基づき、計画的に技術開発を推進 - デジタル化による仕事の進め方の見直し
お客さまにとって利便性の高いサービスを提供するため、行政手続のデジタル化を推進するとともに、スタートアップと協働したDXの取組を推進 - 下水道資源の有効利用
良好な都市環境を創出するため、下水道が有する資源・エネルギーなどの有効利用を推進 - 東京下水道の国際展開
人材育成の推進や情報発信の更なる強化のため、国際会議への参加や下水道技術のPR等を実施
2 信頼性の向上
- 危機管理対応の強化
お客さまの安全・安心を支えるため、首都直下地震や想定し得る最大規模の降雨、感染症など様々な危機への対策を計画的に推進 - 東京下水道の広報戦略
効果的な取組を深化・発展させて実施することで、東京下水道の更なる認知度向上、理解度向上及びイメージアップを推進 - 人材育成と技術力の向上
「東京都下水道局人材育成方針」に基づき、人材育成と技術力向上の取組を強化
下水道技術実習センターを活用し、職員の知識・技術の習得を推進するとともに、他団体や民間事業者なども受け入れて、下水道界全体の人材育成に寄与
3 資産の有効活用
芝浦水再生センターの雨天時貯留池の上部を民間事業者に貸し付け、事業者が運営を行う業務商業ビル「品川シーズンテラス」において、土地の貸付料収入及び所有する上部ビルのオフィスフロアの賃料収入を得るなど、収入を確保
その他
令和6年能登半島地震や東日本大震災の被災地に対して職員を派遣し、下水道管の応急復旧などの支援を実施
記事ID:082-001-20250118-010360