下水道財政のしくみ(流域下水道)
東京都下水道局では、特別区(23区)の下水を処理している『公共下水道』と多摩地域の下水を処理している『流域下水道』の2つの事業を行っています。
ここでは、多摩地域の下水を処理している『流域下水道』について、ご説明します。
なお、区部の下水を処理している『公共下水道』についての説明は、下記をご参照願います。
流域下水道のしくみ
・流域下水道は、河川・湖沼・海域等、いわゆる公共用水域の水質環境基準の達成と、それらの流域内における快適な居住環境の実現を大きな目的としており、流域内にある複数の市町村の公共下水道から排出される下水を、市町村の行政区域を越えて効率的に収集・処理した後、河川等へ放流するものです。
・この流域下水道は、下水道幹線、ポンプ所及び終末処理場(水再生センター)という基幹施設で構成され、原則として都道府県が建設及び維持管理を行うこととなっています。
・一方、流域下水道に接続する公共下水道を「流域関連公共下水道」と呼び、当該市町村が、建設及び維持管理を行うこととなっています。
流域下水道を採用するメリットは以下のとおりです。
① 河川流域ごとの一体的な水質保全
② スケールメリットを活かした効率的な事業運営(建設費及び維持管理費の抑制)
③ 公共下水道を早急に整備することが困難な市町村の区域も下水道の整備が促進可能
財政のしくみ
・下水道事業は、水道事業や都営交通等と同じように地方公営企業として運営されています。
・地方公営企業は、地方公共団体が運営する企業で、一般会計から独立した企業として、独立採算の原則に基づき経営がなされています。
・流域下水道事業は、市町村の公共下水道から排出される下水を処理しているため、受益者である市町村からの負担金などによって運営しています。
・なお、市町村の負担金は、主にそれぞれの市町村が使用者から収入する下水道使用料から賄われています。
・流域下水道の財政支出は、「建設費」と「経営費」に大別できます。
建設財源のしくみ
・流域下水道の建設費は、国費、市町村からの建設負担金、都の企業債によって賄われています。
・下水道幹線や水再生センター等の建設費は、都(一般会計)と関係市町村で経費を原則折半して負担しており、都の負担分は、企業債を発行し、その元金返済や利子支払を、都の一般会計が負担しています。
国費の交付率
・流域下水道における国費の交付率は、流域下水道が広域、根幹的な性格をもち、また、水質汚濁防止上の整備効果も大きいことから、公共下水道より高く設定されています。
・下水道幹線・ポンプ所の建設費については1/2、水再生センターの建設費については2/3の交付率となっています。
経営財源のしくみ
・公営企業における事業に必要な経費は、その経営に伴う収入(流域下水道においては維持管理負担金)をもって充てるという独立採算制を原則に経営を行っています。
・経営費は、下水道事業を経営していくために必要な施設の維持管理、利息の支払などの費用を言います。
維持管理費の財源のしくみ
・流域下水道は、市町村下水道から排出される下水を集めて処理する仕組みであり、これらの維持管理に要する経費は、受益者である市町村からの維持管理負担金によって賄われています。
・市町村の維持管理負担金は、流域下水道への流入水量に応じて支払われています。
・なお、維持管理負担金は、主にそれぞれの市町村が使用者から収入する下水道使用料から賄われています。
資本費(減価償却費・支払利息など)の財源のしくみ
・資本費には、減価償却費や企業債の支払利息などがあり、これらの経費は、都の一般会計が負担しています。
市町村下水道事業費の財源のしくみ
・市町村下水道事業費には、市町村下水道の強靭化の取組を支援する市町村下水道事業強靭化都費補助などがあり、これらの経費は、主に都の一般会計が負担しています。
記事ID:082-001-20240927-008166