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令和6年度土木学会賞「技術賞」の受賞について

更新日

このたび、下水道局が進めてきた千代田幹線整備事業が、令和6年度土木学会賞「技術賞」を受賞しました。

土木学会賞は1920(大正9)年に創設された、100年を超える伝統に基づく全国レベルの権威ある表彰制度です。今回受賞した「技術賞」Iグループは、具体的なプロジェクトに関連して、土木技術の発展に顕著な貢献をなし、社会の発展に寄与したと認められるインフラの計画、設計、施工または運用やメンテナンス等の画期的な個別技術に対して授与される賞です。

受賞内容:令和6年度土木学会賞「技術賞」

受賞件名:日本最長の超長距離下水道シールド施工について ~千代田幹線整備事業~

受  賞  者:東京都下水道局第二基幹施設再構築事務所、奥村・大豊建設共同企業体(特)

千代田幹線整備事業は、水位が高くそのままでは再構築が困難な既設幹線の水位を下げることを目的とした新たな代替幹線を整備する事業です。1スパンの下水道シールドとしては「日本最長」となる施工延長8.7km、最大土かぶり約60mと過去に類をみない長距離・大深度の大規模な幹線です。

シールドマシンの写真です

シールド機到達の様子

表彰状、技術上画期的な業績を讃え土木学会規則により令和四年度土木学会技術賞を贈ります、令和五年六月九日、公益社団法人土木学会、会長上田多門

表彰状

本プロジェクトは、「長距離施工(8.7km)」「大深度(高水圧)」「狭隘な発進基地ヤード」という課題がありましたが、次のような対策を行うことで無事工事を完了させました。

①シールド機の耐久性向上

 長距離施工ではシールドの耐久性が求められ、とくにカッタビットの摩耗が増大すると掘進不能になるため、カッタビットの摩耗について対策が必要でした。
そこで、すぐれた耐摩耗性を有する高耐久性ビット「スタミナビット」を3段配置し、長距離施工での耐久性を確保しました。これにより、ビット交換なしで8.7kmを掘進することができました。

②セグメントの止水性向上

 高水圧下では、施工時にセグメントに加わるジャッキ推力などの荷重が大きく、セグメントの目違い・目開きを誘発し止水性の低下を招く恐れがあることから、施工時荷重に対する止水性の確保をしなければなりませんでした。また、シール材についても高水圧に対する止水性向上のための対策が必要でした。
そこで、全ピース同一六角形状の「ハニカムセグメント」を採用することでくさび状にセグメントを連結させ、継手強度を向上させました。また、リング状に工場加工した継ぎ目のないシームレスシール材を2段配置し、止水性を確保しました。

③都心の狭隘な用地における発進基地

 この規模のシールド工事では発進基地面積が1,500㎡程度必要とされていますが、本事業では920㎡の用地での施工が必要で設備配置が困難でした。
そこで、防音ハウスを3段構造とし、2,200㎡の延床面積を確保するとともに、限られたスペースを無駄なく使用して、施工上必要な設備を配置しました。

このほかにも様々な創意工夫により課題を克服し、極めて困難なシールド工事を無事完了させることができました。

お問い合わせ先

建設部工務課
03-5320-6666

記事ID:082-001-20250808-010833