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2 薬品槽

薬品槽は、排水処理に必要な薬品量を常に確保し、薬品切れによる処理不完全を起こさないように注意する必要があります。また、薬品の溶解不良は配管等の詰まりや添加量の不均一の原因となるため注意して下さい。

(1)薬品の補充

定期的に薬品の使用量を点検し、常に一定量以上になるように補給して下さい。このためには、液面計と連動する警報器などを取り付けたりし、槽内の液面の高さが容易にわかるようにすると便利です。 警報器の設置場所は常に人がいる事務所などとし、警報の解除は排水処理施設の近くにして、薬液の不足に対して確実に対応できるようにして下さい。

(2)液漏れの確認

薬品槽の腐食やひび割れに注意するとともに、槽の下には受け槽を設けて事故時に備えて下さい。排水処理施設や薬品槽周辺の「水たまり」については絶えずpH試験紙でのチェックが必要です。もし異常が発見された場合は、pHをチェックすることで漏れた薬剤の種類や漏れた場所等を推測することも可能です。

(3)槽の変形

濃厚な硫酸[H2SO4]を希釈したり水酸化ナトリウム[NaOH]のフレークを溶解すると、発熱して槽が変形し、配管のつなぎ目を破損したりすることがあります。そのため、原液などの希釈や溶解はできるだけ別の容器で行い、直接薬品槽内で行うことは避けて下さい。

(4)薬品の溶解

処理薬品の濃度は、良好な処理を維持するためには重要な因子です。常に一定の濃度の薬液とするためには、薬品の溶解を薬品槽では行わず、別の容器で溶解した後、薬品槽に補充する等の注意が必要です。
高分子凝集剤は溶解が不十分であると配管などが詰まり、添加量が不均一になるので溶解には十分な注意が必要です。また、溶解後すぐの状態は、十分に高分子の粒子が溶けていないことが多いため、数時間から一昼夜ほど置いておくと良いです。
水酸化カルシウム[Ca(OH)2]の場合には、懸濁液を用いるので常時撹拌する必要があります。撹拌が不十分で沈降する場合には撹拌方法や溶解薬品量を検討して下さい。また、配管が目詰まりしやすいので注意して下さい。

(5)薬品の再結晶化

水酸化カルシウム(20%程度)を使用する場合、水温が低くなると再結晶します。また、水酸化ナトリウムは濃度によって再結晶します。配管などの目詰まりが起きる場合があるため、注意して下さい。

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