国指定重要文化財 旧三河島汚水処分場喞筒場施設
旧三河島汚水処分場喞筒場施設は、隅田川中流に位置する旧下水処理場施設で、東京市区改正事業の一環として、東京市技師米元晋一を中心として建設が進められ、大正11年3月に運用を開始しました。
本施設は、わが国最初の近代下水処理場である旧三河島汚水処分場の代表的遺構として、高い歴史的価値が認められることから、平成19年12月4日に下水道分野の遺構では初めて国の重要文化財(建造物)に指定されました。
阻水扉室、沈砂池などの一連の構造物が、旧態を保持しつつまとめて残っており、近代下水処理場喞筒場施設の構成を知る上でも重要な文化財となっています。
旧三河島汚水処分場喞筒(ポンプ)場施設
喞筒 (ポンプ)場施設は地下深くに流入してきた下水を地上にある水処理施設に送り込むため、下水をポンプで吸い上げる施設です。
旧三河島汚水処分場のうち、水処理施設は時代とともに最新技術のものへと更新されましたが、喞筒場施設は平成11年(1999年)に稼働を停止するまで旧態を保持し続けました。
1.門衛所
表玄関として、大正14年(1925年)に建設されました。
2.入口阻水扉室上屋
東・西に各1棟あり、メンテナンス等のために下水の流れを一時的に止める扉が地下にあります。
3.沈砂池
東・西に各1池あり、下水を池の中でゆっくり流して、下水中の土砂類を沈殿させて、取り除きます。
4.濾(ろ)格室上屋
下水中の浮いたゴミを地下のスクリーンで取り除きます。
5.土運車引揚(どうんしゃひきあげ)装置(インクライン)用電動機室
下水から取り除いた土砂やゴミを積んだ土運車(トロッコ)を坂の上まで引き上げる機械が設置されていました。
6.量水器室
下水の量を計測するベンチュリメータという設備が地下にあります。
どうして量をはかるの?
流れてくる下水の量に応じてポンプや後の水処理施設の散水機の運転台数を変えるためです。
7.喞筒井(せい)及び喞筒井接続暗渠
二系統に分かれて流入した下水はここで合流し、各喞筒井に流入します。
8.喞筒室
下水を地下のポンプ井から吸い上げるポンプが10台設置されています。
案内図
現在地 | 〒116-0002 東京都荒川区荒川8-25-1 |
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交通 | 東京メトロ千代田線「町屋」駅または京成線「町屋」駅から徒歩13分 東京さくらトラム(都電荒川線)「荒川ニ丁目」から徒歩3分 |
施設見学は、予約が必要です!
三河島重要文化財見学受付
電話番号 03-6458-3940
受付時間 9時00分~17時00分 平日(火・金、年末年始を除く)、土日・祝日