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第30回 鉄蓋大好き!

新旧のレアマンホール蓋を探そう!

傭兵鉄子 TETSUKO YOHEI

「新しいデザインマンホールを作りました!」「〇〇とコラボしたマンホールが登場!」。そんな嬉しいマンホール蓋の話題が毎年のようにメディアで取り上げられるようになり、興味を持つ人も増えたのか、十数年前と比べマンホール蓋趣味もだいぶ認知されてきたように感じます。
蓋にカメラを向けていても、最近は通行人に奇異な目で二度見されたり、「何を撮ってるの?」「そんなのに興味あるの?」と聞かれることもなくなりました。漫画やアニメのキャラクターがデザインされたレアなデザイン蓋では、作品のファンや道ゆく人で撮影待ちの列ができることも珍しくありません。キャラクター入りではない従来のデザイン蓋を撮っている時も、周囲からは好意的な反応が多く、地元の方と会話するきっかけにもなって話に花が咲きます。
でも、「そういう趣味も楽しそうだね」「いろんなデザインがあってカラフルだよね」という話題の中には、いわゆる普通の“ 地味蓋” は入っていません。かわいいデザイン蓋に注目が集まりがちですが、地味蓋にも実はレアな蓋があるのです。古くなったマンホール蓋は安全のために更新(交換)されますが、戦前に作られた蓋が今でもまれに残っていることがあります。そんな路上の文化遺産ともいえるレアな“ 骨董蓋” も、敷設当時は珍しくない蓋でした。それと同じように、今はあちこちで見られる地味蓋も、いつかレア蓋になるかもしれません。
1枚だけ作られたレアなデザイン蓋は、市区町村のHP などで敷設場所が公開されています。ピンポイントにその蓋を見に行くのももちろん楽しいですが、せっかくなので周辺にも足を伸ばして、街の成り立ちや歴史が刻まれたレア蓋も一緒に探してみませんか?

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© 羽海野チカ/白泉社

漫画「3月のライオン」のデザイン蓋と、その周辺にある千駄ヶ谷町の蓋(東京都渋谷区)。千駄ヶ谷町は明治40 年~昭和7年まで存在した町名で、現存が確認されている蓋はこの1枚だけ

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© 末次由紀/講談社

漫画「ちはやふる」(講談社刊)のデザイン蓋と、そのすぐ近くにある内務省の蓋(東京都府中市)。内務省は明治6年~昭和22 年まで存在した行政機関で、警察や地方行政など内政一般を所管していた

傭兵鉄子(ようへい・てつこ)

マンホール蓋&腐食金属愛好家。愛好家主催のイベント『マンホールナイト』実行委員。学生時代「自分の街をプロデュースする」という課題がきっかけで市町村毎に違う絵柄の鉄蓋に気付き、以来その魅力にハマる。アニメに登場する蓋も研究観察対象。

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